新潟県魚沼市が発祥の「へぎそば」は、ふのりといわれる海藻をつなぎに用いて「へぎ」という容器に盛り付けた蕎麦です。
一口程度に切って盛り付けてあり、コシが強くてのど越しが滑らかなのが特徴です。
十日町と小千谷市が商標登録をしていて、専門店ではワサビとからしを薬味に沿えた蕎麦を製造販売しています。
器となる「へぎ」とは木を剥いだ板のことで、養蚕場で使われていたものをヒントにそばの器となりました。
そのへぎに3人から4人前のそばを盛り付けて、みんなで取り分けて食べるのが一般的な食べ方です。
小千谷市に創業100年もの歴史を持つ、「わたや」という店があります。
創業以来「小千谷の美味しいできたてのへぎそばをより多くの人々に楽しんでもらいたい」「自宅でも楽しめる商品を提供したい」という思いで、そばを提供してきました。
わたやという店名は、蕎麦屋になる前に綿の打ち直しなどをしていたことが由来です。
小千谷には「小千谷縮」という織物があるのですが、それを織るときにふのりが使われていました。
織物の町だったからこそ生まれた蕎麦なのです。
わたやは先代の味を引き継いで100年、その間戦争や震災などの災難もありましたがそれらを乗り越えて大切な味を守り続けてきたのです。
わたやの定番メニューはやはり、へぎというせいろに一口ずつ並べたへぎそばですが、期間限定のおすすめメニューも提供しています。
麺つゆと蕎麦のお取り寄せ商品も用意しているので、来店できなくても取り寄せて味わうことができます。